ガンナーバトルの存在理由でもあるフェイオス協定とは一体どんな条約なのか。
雷神家世界の設定におけるフェイオス協定解釈論。
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まず、この協定の目的は雷神家における「悲劇の日」のような、人が人である限りどんな状況においても絶えることの無い闘争本能を押さえつけることにあるはず。
ガンナーバトルというのはそもそも代理戦争である。
この協定の成立に動き出したのは(雷神家世界においては)いまいちパッとしない軍務(防衛)長官カイル・ドライトンである。
ルビコン社が自滅し、頭二つは飛びぬけている勢力を持つ神鋼重工という軍需企業の独占体制を嫌ったドライトンは、ティンクルという頭脳を使い動き出す。
GVW政府が権威を保つには、軍需企業の協力が不可欠であるが、依存し乗っ取られるということは避けねばならなかった。軍需企業の協力を得たまま、かつ一定の距離を保つには、軍需企業同士を均衡させておかなくてはならないとティンクルは考えていた。
そこでトレーサー開発という点では亜流のILBM、マークス社の子会社であるサイバーメックを台頭させる案が浮上した。
神鋼が持つ資本力には遠く及ばぬ企業を均衡させる為、ティンクルが用いた発想は以下に基づいている。
1、地域独占権を指定企業に付与する。企業に地方地域を管理させることは、GVW政府の負担を軽減することにもなり、税制面の不利はあるが軍事費の増大に歯止めをかけられる利点に図れば、利はどちらにあるかは明白である。
2、軍事力を行使しようにも出来ぬ構図を作り上げる。地上世界における核による冷戦構造が参考になるだろう。
3、1と2に基づき、地域分割を計算する。
神鋼-サイバーメック:鉱山地区・工業地区の連動。資源の採取場所と加工場所を分けることにより軍拡抑止となるであろう。
神鋼-ILBM:地熱発電所・熱交換施設。同上。どちらを停止しても活動不可能。
この際にILBM-サイバーメック間の対立要素は問題外なので計算にはいれていない。
3の実行に際し、神鋼重工は異議をいいたてるであろうから食料プラントの管轄権(支配権はさすがに売れないだろう)を譲る。ILBMにも大気組成プラントという核を持って神鋼重工の抑止力とさせる。
4、独占による資本主義的競争力が失われる可能性を考慮して、ガンナーバトルを代理戦争ともいうべき舞台とし、勝者の所属する企業にある程度の権利を与える――これは旨みのあるものでなければならない、要熟考。
この1~3を基本骨子として勢力再編を図れば、どの企業も戦争をしようにも出来ない均衡を形成することが可能となる。
カイル・ドライトンはこの案をマイヤー首相に提出。強硬派のマイヤーだったが、GVW政府の存続が危うい状況となっては、この案に飛びつかざるを得なかった……。
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なんてことを考えてみたり。
フェイオス協定の全貌を妄想してみました。
雷神家の絆24話完成。とりあえず寝かして明日チェック。