本日行われている首相公選制選挙の出口調査の結果、コールマン氏の当確が明らかとなった。
しかしながら投票率が60%を切っているという話もあり、三大企業による寡頭制が顕著となっている為、首相が変わっても権力構造に変化はないという、GVW民の諦観が政治への無関心に繋がっているようだ。
もし投票率が60%を切っているのならばGVW政府発足以来、過去最低の数字となる。
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全く風の無い選挙だった。
それはコールマン当確の報を聞き、俺が第一に思ったことだ。
無駄だとわかっていたが俺はマイヤー氏に投票していた。
コールマンを選ぶことは、緩慢な死を選ぶことと同義だと感じていたからだった。
人々は地上奪還をほぼ諦め、GVWという殻の中で休むことを選択したのだ。
それが間違っているとはいわないが、俺は同じ死でも壮絶な爆死のほうが好みだった。
……おっと、いけない。俺もGVWを覆う鈍色の諦観に捕らわれていたらしい。
そうだ、人々に強靭な意志を、勇気を、力を与える記事を書こう。
それが新聞記者としての、ヨネヤマ・マサオの仕事なのだから――。
<RG times Zero Ver 3~4クール intermission END>
……ふと影を見た気がした。見たことのあるような少年と少女が、RGタイムズ社の椅子に座っている。
きっとそれは、幻なのかもしれない。
ただ縁があれば出会うこともあるであろう
――そんな不明瞭な考えに苦笑して、俺は新たな連載記事の筆を取った。