あの日の熱気は何処へ消えたのか。
現在、このGVWを満たすのは絶望、偏見、猜疑といったあらゆる悪徳である。
他人の血で絞ったワインを何よりも好む、軍事企業の金満主義者による病巣を抱え、未来は、光は遠く彼方へ消え去ったかのようだ。
近頃では嘆かわしいことに、限りある食料資源を無駄に浪費し、愉悦で人を殺せる若者が増えているという。
宗教も私から見れば得体の知れぬカルト信奉者か悲観主義の無神論者のみになってしまった。
最近は少し裏路地を覗けば、限りない暴力で満たされている。人々の心が荒んでいる証拠だ。
(中略)
天然の鱒の味も、OG牛の味も、母が作ったシチューの味も、何もかもが私の夢だったのかもしれない。
ただ確かに覚えているのは、あの激しく人々を罰するように強く照らす太陽の熱気。柔らかく包み込むような日向の温もりだけだ。
人工灯の薄暗くじめじめとした明かりなどではない本物の光が恋しい……恋しい……。
――地上生まれ最後の人類。死後三日前の手記より。
我々は叫んだ。「光を!」と。
陽の光こそが生命の象徴であり、人がそれを求めることは必然であるといえる。
惹き付けられるように焦がれ、多くの同胞が、あの血も涙も感情もない無機物どものまえで散った。幾度も、幾度も。
我々、唯一の人類は悟らなければならない。人類は悪魔に狩られる立場だということを。
我々は語らなければならない。人種の垣根を取り去り、過去の諍いを水に流し、手を携えて生きていく道を。
我々は待たなければならない。時が満ちるときを。
故に私はここに宣言する。唯一の人類正統政府の発足を!!
(中略)
この地下世界には高みから見下ろす為の山もない、丘もない、人々を隔てる川もない。ただあるのは平等、広がる平等のみである!
例えこの人類始まって以来の共通の困難を前に私が倒れようとも、この瞬間に同胞となった諸君らが後から津波のように!!次々と!!途絶えることなく!!意志を継ぐであろう。
この日までどのような集団も、国も、世界も成し得なかった理想が私の目の前に生まれたのだから!
(中略)
この宣言をもってして、貴方も、そこの貴方も、君も、そして全ての人々よ。手を取り合い、互いの背中を守る日々が来たのだ!
――統一(GVW)政府誕生における人類代表宣言より
RGタイムズとヨネヤマの危機
その7
常識という名の偏見②
注:この話は推理モノのようでありながら、そうではなく、ミステリーモノのようでありながら、そこはかとなく違い、RGという世界観でなくては成り立たない、どちらかというとSFのようなお話です。
<シミュレーター関連メモ>
とりあえずシミュレーター登場から実際にプレイしてみて。
初級10連勝 ☆
上級10連勝 ☆☆☆
無差別10連勝 ☆☆☆☆☆☆
くらいの差はありますね。無差別10連勝はアクのある武装設定の人が多い上に、能力の高さもあるので、画一的な武装では10連勝どころか5連勝も苦しいですね。
というか現状のクライス君では1勝するのでも一苦労です
□上級10連勝へのチャレンジは想像以上に興奮しました。10連戦目でまた負けたらネタになるなー、けど勝ちたいなー……うお、ギリギリ勝利!!といった感じで(わかりにくくてゴメンナサイ)
ソロプレイ的な楽しみ方ではありますけど、想像以上の無差別の壁を前にして、どうやってこの山を登ってやろうかと考えられるというのは面白いですね。
□とりあえずシミュ関連のレビュー第1稿はこれで終了かな?来週からはまたまったり更新に戻ります。たぶん。