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RGタイムズ紙 / スポーツの秋?食欲の秋?読書の秋?……それともRGの秋?

そんな秋が来る日は……。 @2004 Alphapoint co., ltd. All Right Reserved.

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アガペ その4

アガペ その4 続きより。
たぶんこれで40%くらい。オチを決めていたのに以外と長い。

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アガペ その1 その2 その3

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「困るんだよねぇ。無愛想なキャラっていうのもいいんだけどさぁ、なんていうの、デレ?……デレの部分が足りないんだよねえ。どれだけ冷たい対応でも、最後に見せるデレにぐっと来ちゃうわけなのよ。最後まで無愛想なんじゃただの手抜き接客……」

 ここで辛抱たまらず、俺は通信子機のスイッチを切った。あまりにマニアックすぎて聞いてて頭が痛くなってくる。
 ニューロノイド喫茶の店長の長ったらしく粘ついた講釈なんぞ聞いてる暇はないのだ。
 世の中、向き不向きというものがある。そもそも200ページ×3の分厚いニューロノイド仕様書を読んでいなかった俺も悪かったかもしれない――と寛大な気持ちを胸に、腰を据えて仕様書を読み漁る。
 そうすると、今の俺にとっては驚愕の新事実が1冊目の22ページに書いてあった。
 ――F-2011型は不良コアの再利用という性質上、メモリ容量が限られており、その容量の大部分はガンナーとしての機能に限定されています――
 あしからず。つまり、アルバイトとか余分な仕事は出来ないってことらしい。
 俺は思わず天を仰いだ。
 恨めしそうにフィリアのほうを向くと、彼女は最強の肉食獣の短い両腕を左右に伸ばして、万歳の要領で持ち上げている。お気楽なものだ。

「お前のことは考えておくから、とりあえず今日は大人しくしてろ、いいな」
「わかった」

 相変わらずの調子で返事するフィリア。とんだ役立たずだが、こいつがいなければトレーサーは動かせない。

「さて、いってくるか」

 手ぬぐい片手に、わざわざ言わなくても大人しくしているだろうと思いながら、俺は家を出た。


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 額を滴り落ちる汗は止む事の無い火薬の雨のようだ。空調システムの故障した地帯で、破壊されたコンクリートの瓦礫を運んでは捨て、捨てては拾いに戻る。
 俺は先のヒュームハンター襲来で壊れた建物を修理するバイトをやっていた。
 ガンナーとして身体は鍛えているつもりだったが、仕事も終盤になると慣れていない動きに筋肉が悲鳴を上げていた。

「お疲れさん、これ今日の給料だからきちんと中身確かめてこっちにサインしてくれや」

 汗で滑り光っているマッシブな筋肉が印象的な工事現場の親方から差し出された袋を受けて、帰路へ立つ。
 中身はたったの800FG。命の危険もない場所で汗を流す労働者の1日の稼ぎだ。トレーサーさえあれば、バグタイプを相手に辺境へ遠征して1日3000FGは稼げるというのに……。仕事を始めてまだ1日目だというのに、気が遠くなる。
 もう諦めてしまおうか。そんな弱気に支配されそうになって、俺は首を横にふった。ここで諦めてしまったら、何のために負け続けても借金してまでガンナーにしがみついてきたというのだ。
 弱気になっては溜息を吐き、吐いては気を入れなおす。俺は典型的に落ちこんでいる時の負のスパイラルにはまっていた。

   ◆◆◆◆◆

 空かした腹を共に、マーの店で俺は今日も一杯20FGのフォーを啜る。
 激烈に美味いわけではないが、ほっとする味だ。
 スープを飲み干し、疲れを抱えてぐったりとしていると、マーは俺の他にもう一人の客が帰るのを見届けて、対面から横の背もたれのない木椅子に座った。
 腐れ縁であるマーとは話題の無い時は何も話さない。気が置けないので、無駄話のようなコミュニケーションも必要としない関係だった。
 それでもこの時のマー・リンレイは珍しく本人にとって興味の沸いた話題を肴に話したがっていた。

「あんなー、今日おもろいもんみてん」
「ほう」

 生ぬるいお冷を舐めるように飲んで、俺は続きを促す。

「ニューロノイドらしい小さい女の子が、ジャンク品いっぱいのリヤカーを引きずってこの通りを歩いていったんよ。あれはなんやったんやろうなぁ」
「確かにそれは珍しいな」

 適当に返事したが、あまり珍しくもない話だった。スラムでニューロノイドがニューロノイドだった物をゴミ置き場に捨てに行っている光景を昔見たことがある。あまり気分の良い話ではないが…。
 それから1週間ほど先に、またマーはその奇妙なニューロノイドの話題をあげる。何やら、あの日から毎日、機械油塗れのニューロノイドがこの通りをジャンク品一杯のリヤカーを引き摺っていたとかなんとか。この通りの屋台のオヤジ達の間では有名になっているらしい。
 全くもって奇妙な話である。


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