私は同情心から廃棄街の再開発を試みようとしました。
するとILBMの研究長から「それは我々の仕事だ。余計なことをするな」と怒られました。
私は義侠心から食料分配法を見直すようにしました。
すると神鋼の会長から「これ以上無学な民を増やしてどうするというのだ。適切な教育を受け、選ばれた者だけが飢えなければいいではないか」と諭されました。
私は平等な社会の為に軍事企業関連の税金をあげようとしました。
するとCMの代表から「馬鹿げたことはよしてくれ。我々の力が無ければ政府は何もできないじゃないか」と横槍をいれられました。
何も出来ない私にGVWの民は罵声を浴びせました。
日々繰り返される不平不満の声に対し、私は心を無にして何も考えないことにしました。
するとどうでしょう。あれほど毎日のように聞こえていたノイズが綺麗さっぱりなくなったのです。
え、私は誰かって?……まさか!貴方達の首相がこんな酔っ払いのわけがないじゃないですか。例えそうだとしたら、GVWの未来はありませんよ。ハッハッハッ………。
――午前1時。とある場末の酒場にて。