静と動。ヲタク風にいうならばツンとデレ。
ギャップによって互いの動きをより強調して見せるというのは、言うが易しの代表例である。
静でありながら動を意識させ、動でありながら止まってみせる。ただ動で静では意味がない。
これを絶妙に使いこなせれば、例え才無き身であっても名声を得ることの出来る偉人になりえるかもしれない――。
野球界でいうなら、星野伸之、現阪神2軍投手コーチなどがそんなやりかたを体現している(野球な例えが好きで申し訳ない)
120キロ台のストレートしか投げられなくても、90キロ台のスローカーブを使いこなすことによってストレートが打者には140キロくらいに見えたとか。
星野が完封勝利を飾った試合で、対戦相手の西武の選手が「今日の星野はいちだんと遅い」「ボールが止まって見える」というコメントを残したことがある。
――wikipedia 星野伸之 項目より抜粋。
とりあえず何がいいたいかというと、先日の項目について、そんなことを意識しながら書いていけたらなぁ。ってな感じで今執筆中の小説における実験作のつもりで書いていこう。
「魔法を使わない魔法使いの決闘モノ」という動きのあまり無い題材を書いているので、憂さ晴らしだー。
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ということで依然として大阪にいるヨネヤマです。
いい加減お金がやばい感じですが、もうしばらくここにいる羽目になりそうです。
滞在場所から4駅ほどでたどり着くので京都も2回ほど行きました。
清水寺、伏見稲荷、教王護国寺(東寺)、建仁寺、三十三間堂、二条城、北野天満宮、金閣寺、平安神宮、知恩院と有名どころを漁り、銀閣寺の門までたどり着いて終了(もう閉まっていたが、後で銀閣寺いったと法螺吹くため)
朝から夜までひたすら回っていたので結構見れたのではないかなと思います。
絵馬ウォッチとか下世話な趣味で楽しんでいると、安井寺(だったかな)というところの絵馬が結構怖かったです。
「○○と不倫相手の●●の縁が切れますように」
「クソ上司●●がどっかにいってくれますように」etc…。
縁切り寺なんてものがあったりする。正確には「良縁を結び、悪縁を断つ」神様が祭られているようです。
「癌との縁が切れますように」のような使い方が建設的なやりかたのようですね。
八百万の神を祭る日本なだけに、神社仏閣も多くの種類があって実に面白かった。
ただこういうところを巡っていると、自分の頭の軽さと教養の無さが痛切に響きます。
千手観音を見ている外国人さんに話しかけられ、英語で「あれはなんだ?」的なことを聞かれても、さっぱり答えられませんでした。
こういうことがあると、尊大な羞恥心が疼いてしょうがない。電車でお年寄りに上手く席を譲れなかったときのような。
そんなこんなで、法然って誰だったかな……?と僕らのグーグル先生に尋ねる日々は続く。
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なにやらRG内部で大変なことになっているようだが、繋いでないのでサッパリサッパリ。
こっちはこっちのペースで何かを始めるかもしれません。
コアのまんまのマイカはどうなっているのかな~
陽の光が目に痛く、鳥の囀りが聞こえてくる朝。これが朝チュンというやつなのだろうかと思いながら、クライス・ベルンハーケンはアルコール臭漂う部屋で酒瓶をゴミ袋の中に緩慢な動作で片付けている。
主のいないRGタイムズ社は嵐の過ぎ去った後のように荒れ果てて、静かだった。台風の目だった来訪者は相方であった少女を連れて、早速朝のランニングに出かけている。ニューロノイドは酔わないのだろうかという疑念を持ちつつ、吐き気を催しながらクライスはげんなりしていた。
徹夜によって充血した眼を擦っているクライスは消すのを忘れていたホームコンピューターのスピーカーから、鈴のような音色が流れるのを聞き取っていた。それはメールの到着を告げる効果音である。
のろのろとクライスはコンピューターの待機モードを解除して、新着のメールを確認したのだった。
件名「定時報告 その2」 送信者「ヨネヤマ」
しばらく更新できないと思ったら、普通に光回線のうえにPCも新しいのに変わっていた。
凶暴だった黒猫も俺に慣れてきたのか噛まないし、自分の家より快適かもしれないな。
あ、今日はひたすらwiiをして遊んだ。wiiボクシングは疲れるぞ。
byヨネヤマ
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切れ掛かった蛍光灯の明かりの下で、クライスはRGタイムズ社に届いたメールをチェックしていた。なにやら楽しんでいるようだな。と彼はため息をついていた。世の中、人そのものの存在でさえ矛盾を孕んでいるというのに、あまりにも不公平だとクライスは嘆きたくなる区分に陥っていた。
「クライスー、酒なくなったわよー!!」
空のビンを振り回している女の声は、機械端末の前に鎮座している彼のところまで酒の臭気が漂ってきているかのようだ。思わず鼻を摘みたくなる。
自称記者のヨネヤマがオーサカシティーへ取材で消えて言ったのと入れ替わりで、RGタイムズ社には客がやってきていた。その客の存在こそがクライスを悩ませている元凶だったのである。
「なにしてんのらー。早く買ってきてちょうらい」
存分に出来上がっている酔っ払いの女は、なお艶を保ちながら無重力化で浮いているような軽やかな髪を撫ぜて、少年に催促したのだった。